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MTP Skill (beta)

MTP Skill は、MTP (Mapping the Prompt) フレームワークを /mtp コマンドから使うための Agent Skills(エージェント スキル) です。

長い自然言語のメタ指示をプロンプト本文に書く代わりに、power:100J:4synthesizer のような短い指定を、モデル出力のトーン、構造、探索の深さを整える制約へ変換します。引数(<args>)には、スライダーグリッド座標プリセットの 3 種類があり、どの形式で書いても、最終的には MTP の軸、極性、強度へ解決されます。フレームワーク全体の考え方や用語は 概要 で扱います。

このページでは、MTP Skill を使うと何が変わるのか、(beta) の位置付け、インストール方法、コマンドの書き方、/mtp <args> の解釈を説明しています。


MTP Skill を使うと、プロンプト本文とは別のレイヤーで、出力の方向づけを指定できます。たとえば「この記事を要約してください」という同じタスクに対して、/mtp power:100 を足すと結論先行で強い構造に寄り、/mtp void:80 を足すと説明を削った最小限の出力に寄ります。

これは、毎回「もっと断定的に」「もっと短く」「可能性を広げて」「焦点を絞って」と自然文で書き足す代わりに、MTP の座標やノード名で制御するための仕組みです。タスクそのものと、出力スタイルの制御を分離できるので、同じプロンプトを保ったまま、出力の違いを比較しやすくなります。また、サブエージェント等のペルソナ制御への応用も期待できます。

MTP では、Power、Flow、Focus、Open などのノードを、意味付けされた「型(トーンやスタイルのまとまり)」として考えることができます。power:50focus:70 は、その型にどれだけ寄せるかを強度として渡す指定です。単一のノードで出力傾向を切り替えることも、複数のノードを組み合わせて傾向をブレンドすることもできます。

MTP では、これらの型どうしの配置や関係を表すために、色を視覚的な座標体系として利用しています。色そのものに固定的な意味を押しつけるというより、出力傾向を地図上で把握するための手がかりとして扱います。詳細は 設計上の背景 で扱います。

指定例出力傾向
/mtp power:100結論先行、断定的、主張が明確な出力
/mtp void:80簡潔、最小限、説明を抑えた出力
/mtp open:70可能性や選択肢を広げる出力
/mtp focus:70対象を絞り、精度や具体性を重視する出力
/mtp D:16 A:1複数のグリッド座標を組み合わせた出力

強さを調整したい場合は、power:50power:100 のように、ノード名と :intensity の強度を組み合わせて指定します。実際の変化は、モデル、タスク、プロンプト本文によって変わります。強度の取り扱いもモデルごとに異なるため、同じ :intensity でも出力への出方が変わることがあります。

MTP Skill は出力を完全に固定するものではなく、モデルに渡す制約を「型(意味や概念)」として結びつけ、再利用しやすくするためのレイヤーです。


MTP Skill は Agent Skill として配布されています。CLI からインストールできるほか、zip 形式の Agent Skills をサポートするツールには、公式 zip をダウンロードしてアップロードできます。

パッケージ済みの最新版 MTP Skill は、次のリンクから zip ファイルとしてダウンロードできます。

MTP Skill zip をダウンロード

この zip は、リポジトリ内の skills/mtp から生成された mtp Skill パッケージです。

このページでは、CLI からインストールする手順を中心に扱います。

GitHub CLI の gh skill は preview 扱いの機能です。利用している gh のバージョンで gh skill が有効か確認してください。

Terminal window
gh skill install imkohenauser/mtp skills/mtp

GitHub CLI gh skill ドキュメント

Terminal window
npx skills add imkohenauser/mtp --skill mtp

Vercel Skills CLI ドキュメント


/mtp は、メッセージの先頭・中間・末尾、独立した行のいずれに書いても解釈されます。同じメッセージに複数書いた場合は、書いた順にまとめて解釈され、/mtp <args> 部分は本文(プロンプト)から取り除かれます。

たとえば、次の 2 つの書き方は、/mtp の位置が違うだけで、コンパイラが生成する制約は同じです。

/mtp power:100 ドキュメントの内容を要約してください
ドキュメントの内容を要約してください /mtp power:100

ただし、モデルが制約とプロンプトをどう優先するかはモデル依存で、書く位置によって出力に多少の差が出ることがあります。

3 種類の指定方法は、それぞれ次のパターンで書きます。

種別パターン
スライダーnode:intensity(強度は 0 – 100)power:100void:80grow:50
グリッド列:行 または 列-行(19×19 グリッド、列 A–S × 行 1–19)J:4, J:1, F:10
プリセットあらかじめ定義された座標の組み合わせを、名前で呼び出すstrategistsynthesizermaverickconcierge(4 種類)

ノード名のほか、軸の色名で書くこともできます(例: yellow:70open:70 と同じ対応)。負の強度はその軸の Side B のノードに解決されます(例: yellow:-70still:70 と同じ扱い)。これらの例は skills/mtp/USAGE.md にあります。

ここまで紹介した 3 種類の指定方法は、単独でも組み合わせても使えます。代表的なパターンを抜粋します。

スライダー

/mtp power:100 ドキュメントの内容を要約してください

スライダー power を強度 100 で指定しています。この例では、結論先行で断定的な構造の出力に寄ります。

/mtp node によるMTP Slider Argumentsを説明する図。左はSide AとSide Bのノードスライダーを示し、Powerが70に設定されている。右はOpen、Power、Focus、Flow、Close、Surge、Collapse、Fadeなどの方向を、3Dチェビシェフ距離として示している。

グリッド

/mtp J:4 ドキュメントの内容を要約してください

19×19 グリッド上の 1 点を指定します。位置から軸が決まり、中心からの距離で強度と極性が決まります。(J:4power:100 とコンパイル結果が同じです。)

/mtp column によるMTP Grid Argumentsを説明する図。左は3×3の色グリッドを19×19座標上に単純化して示し、J:4、D:10、P:10、J:16などの例を表示している。右は19×19全体のRGBA値の分布を示している。

プリセット

/mtp strategist ドキュメントの内容を要約してください

strategist は、あらかじめ定義された座標の組み合わせに展開されてから解釈されます(プリセットの定義は references/presets.yaml)。

複数グリッドの指定

/mtp D:16 A:1 ドキュメントの内容を要約してください

複数のグリッド座標を並べて指定すると、それぞれが順に解釈されます。(D:16 A:1synthesizer プリセットが展開するトークン列と同じで、コンパイル結果も同じです。)

同一軸の上書き(last-token-wins)

/mtp power:70 void:30 ドキュメントの内容を要約してください

powervoid は同じ軸(Red 属性)を指します。同じ軸に対して複数のトークンを書いた場合、後に書いた方が採用されます(この例では void:30 が有効)。

無効トークン、中立グリッド、プリセットに続く上書きなど、その他の挙動は skills/mtp/USAGE.md の各セクションを参照してください。


タイトルの (beta) は、MTP Skill と、その核になる skills/mtp/nodes/* の記述が、今後も検証と更新の対象であることを示しています。

現在のノード定義は、各色軸と Side A / Side B の振る舞いを Markdown で記述しています。現時点でも /mtp <args> の基本的な入力形式、プリセット展開、同一軸の上書き規則は利用できますが、ノードごとの説明や制約表現は、比較テストを重ねながら更新していく予定です。

今後の調整では、直接的なテキスト指示を増やすよりも、各色・各ノードが持つ特徴をより普遍的に表現する方向を重視します。つまり、「この語尾にする」「この形式で書く」といった固定的な命令ではなく、Power、Flow、Focus、Open などの性質が、モデルやタスクをまたいでより安定して伝わる記述へ近づけていきます。

比較結果を厳密に残したい場合は、MTP Skill のバージョン、モデル名、プロンプト、/mtp <args> を合わせて記録してください。比較ページでは、この前提でベースラインと MTP Skill 適用後の出力を並べています。


MTP Skill の出力傾向は、skills/mtp/nodes/* に含まれるノード定義によって調整できます。これらのファイルは単なる説明文ではなく、コンパイラが読み取り、制約として使うソースです。

カスタマイズを希望する方は skills/mtp/nodes/* を編集することで、テーマを変えるように MTP Skill の挙動そのものを変えられます。たとえば、同じ /mtp power:100 でも、skills/mtp/nodes/RED.md の Power 側の記述を変更すれば、異なる方向に寄せることができます。

カスタマイズするときは、各ノードファイルの基本構造を保ってください。frontmatter、## Side A## Side B、各 Side の ### Low### Mid### High という見出し構造は、コンパイラが読み取る前提になっています。


MTP Skill を適用すると出力がどのように変わるかは、比較ページで確認できます。「テキスト生成」と「画像生成」の比較を以下にまとめています。

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