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設計上の背景

MTP (Mapping the Prompt) は、長い言葉によるプロンプト指示の代わりに、意図を離散的な色のグリッドへ写像します。
ここでは、そのグリッドの設計根拠を説明します。
扱うのは、なぜレイアウトが 3×3 なのか、なぜ中央に Transparent が置かれるのか、そして周囲の色が 陰陽五行思想色相環 の両方とどう関係づけられているのか、という点です。

MTP の色ノードは、AI に固定した役割や人格を演じさせるためのラベルではありません。
複数の出力傾向を「方向」として配置し、方向と強度を組み合わせて応答をステアリング(方向づける)するための制御単位です。


MTP の核は、9 つのセル(ノード)からなる 3×3 グリッドです。
各セルは、色による識別と意味的な役割の両方を持ちます。

+-----------+-------------+-------------+-------------+
| Position | Left | Center | Right |
+-----------+-------------+-------------+-------------+
| Top | YELLOW | RED | MAGENTA |
+-----------+-------------+-------------+-------------+
| Middle | GREEN | TRANSPARENT | WHITE |
+-----------+-------------+-------------+-------------+
| Bottom | CYAN | BLUE | PURPLE |
+-----------+-------------+-------------+-------------+

実装上では、このマクロ配置は 19×19 の座標グリッドへ展開されます。
この配置の背後には、次の二つの整理原理を重ね合わせる独自の設計があります。

  • 五行 にもとづく方向的な読み。
  • 四隅を 離散的な色相環 に沿って置く考え方。

五行の方向づけと、色相環に沿った四隅の置き方を、ひとつのレイアウトに載せています。
文化史や思想の正しい配置として読むことではなく、各ノードがどの意味方向に立つかをつかむための手掛かりとして説明します。

プリズムを中心に8色のノードを環状に並べた概念カラーマップと、木、火、土、金、水を左、上、中央、右、下へ配置した五行の方向対応図。 MTP は、光のスペクトルと色相環、五行に着想を得た方位モデルを重ね、色ノードの意味方向を構成しています。


MTP ではなぜ中央が Transparent なのか

Section titled “MTP ではなぜ中央が Transparent なのか”

中央を理解する鍵は、五行における (五行では黄や茶色)の役割にあります。
木、火、金、水は方向的な位置を占めますが、土は 中央 に置かれます。
ここでの土は、外向きに動く別の要素としてではなく、遷移と均衡を可能にする 媒質 として読まれます。

+-----------------+
| 火 (南) |
+-----------------+-----------------+-----------------+
| 木 (東) | 土 (中央) | 金 (西) |
+-----------------+-----------------+-----------------+
| 水 (北) |
+-----------------+

四方に対して方位を定める基点は中央にあります。
その意味で「土」は他の位相が展開する地盤です。
方向を持つ位相どうしは対立し、生成し、変換し合いますが、中央はその全体を支える点として残り続けます。

五行はしばしば季節と結びつけて読まれます。
木は春、火は夏、金は秋、水は冬に対応します。
一方、土は同じ意味で独立した季節を受け持つわけではありません。
代わりに 土用 と結びつき、季節と季節のあいだに入る遷移区間を担います。
ここでは、土は一つの季節が戻り、次の季節が立ち上がる位相であり、固定的な季節というより 季節をつなぐ変換点 と考えることができます。

木と火は比較的「陽」寄りの位相として、金と水は比較的「陰」寄りの位相として読まれます。
土はその両極のあいだで均衡を取る役割を占めます。
一方の極から他方の極へ直接跳ぶと、構造は断絶として感じられやすく、土はその変化を受け止め、落ち着かせ、変換し、継続可能なものにします。

場としての「土」と「Transparent(透明)」

Section titled “場としての「土」と「Transparent(透明)」”

MTP での中央(土)は黄色ではなく透明(Transparent)です。
木、火、金、水は方向ベクトルとして扱えますが、ここでの土はそれとは異なります。
土は、それらのベクトルを 受け止め、支え、媒介する場や培地 です。

MTP はこの役割を、第 5 の色相としてではなく Transparent (Helix) として符号化します。
「中央にもう一色を置くこと」ではなく、色相の極にはならないまま、すべての方向に関与する媒介的な中心を置きます。

世界各地の伝統で見られる 4+1 パターン

Section titled “世界各地の伝統で見られる 4+1 パターン”

この配置は、複数の伝統に見られる、四つの方向的な極と一つの媒介的な中心からなる 4+1 のモチーフにも通じています。
ギリシャ思想における Aether や、インド思想における Akasha は、ゆるやかな類比として挙げられます。

ただし、MTP における主要な拠り所はあくまで、五行における 媒質としての土 という読みです。
異文化比較は説明の補助であり、証拠づけではありません。

神秘的に解釈するのではなく、普遍的な自然観、配置のイメージ(例えば、火は燃え上がり、水は低きへ流れる)を示すものとして解釈しています。

例えば、Red と Blue は強い垂直方向の対立を形成し、Green と White は水平方向の補完関係を形成します。
Transparent は、それ自体が方向極になることなく、そのあいだを媒介します。


五行は五つの名前を持つ位相を与えますが、グリッドには九つのセルがあります。
この差は、五行を 十字の骨格 として用い、四隅を隣接する位相の 遷移位置 に割り当てることで埋めています。
さらに、その遷移位置を標準的な色相環上の中間色に対応づけます。

方位五行グリッド上の位置MTP の色
上中央Red
中央左Green
中央中央Transparent
西中央右White
下中央Blue

金を White に対応させているのは、明るさや反射性に関する設計上の連想にもとづいています。
これはグリッド設計における比喩であり、物理学的な主張ではありません。

位置隣接する要素季節の遷移MTP の色
左上Wood(Green) ↔ Fire(Red)春 → 夏Yellow
右上Fire(Red) ↔ Metal(White)夏 → 秋Magenta
左下Water(Blue) ↔ Wood(Green)冬 → 春Cyan
右下Metal(White) ↔ Water(Blue)秋 → 冬Purple

ただし、四隅は隣接する二方向の単純な混合値ではありません。
Yellow、Magenta、Cyan、Purple は、それぞれ独立した Markdown ノードとして定義され、遷移位置に固有の意味方向を持ちます。

HSV/HSL では、Yellow は Green と Red のあいだ(およそ 60°)、Cyan は Green と Blue のあいだ(およそ 180°)に位置します。
この対応は、標準的な色相順序と十分に近く、四隅の配置に一貫性を与えます。
四隅の配置は、色彩科学からの厳密な導出ではなく、設計上の整合を求めています。


同じ設計根拠は、9 つのカラーノードが概念図であると同時に、方向性をもつ操作面でもあるものとして捉え直せます。

8色のMarkdownノードを中心の周囲に配置し、ドラッグの方向と距離でノードと強度を表す操作図と、赤、緑、白、青の4方向へ展開した概念図。 各色ノードを Markdown の指示として定義し、中心からの方向でノード、距離で強度を選ぶ操作面として読み替えています。

中央を原点とするジョイスティックのように、どの方向へ、どの程度動かすかによって、LLM の出力に与える性質を調整します。
各色ノードは .md の指示として定義されているため、色を選ぶことは、対応する指示モジュールを選ぶことに相当します。

3×3 マクロ配置から 19×19 座標空間へ

Section titled “3×3 マクロ配置から 19×19 座標空間へ”

3×3 グリッドは、九つのノードが担う意味方向の骨格です。
実装では、このマクロ配置を 19×19 の座標空間へ展開し、座標から軸、極性、強度を解決します。
これにより、離散的なノードを選ぶだけでなく、ノード間の位置も含めて出力傾向を細かく指定できます。

9つのMarkdownノードを3×3マクロゾーンに配置した図と、それらを補間した19×19カラーグリッド上にPower J:4とGrow D:10を示す図。 3×3 グリッドを意味の骨格、19×19 グリッドを方向、極性、強度を細かく指定する座標面として扱います。

座標から極性と強度を求める仕組みは、グリッドと座標系で説明しています。

色相環は本来連続的なものです。
MTP はそれを、非色相の中心を囲む 8 つの周辺色として、3×3 の格子へ 離散的に埋め込んでいます
これにより、外周の循環性を保ちながら、グリッドを座標面として扱えるようにしています。

多くの色体系では、灰色、白、黒のような無彩色が中央に置かれます。
MTP が Transparent を選ぶのは、それを単なる中立色のサンプルではなく、媒質的なノード として扱うためです。
Transparent はそれ自体としては無色ですが、周囲の方向の伝達と統合に関わる中心として位置づけられます。

3×3 グリッドを左上から右下へ、行方向のジグザグ(Z 字)でたどると、次の色の並びになります。

Yellow → Red → Magenta → Green → Transparent → White → Cyan → Blue → Purple

この順序には、マクロ配置を読むうえでの位置づけがあります。

  • 行ごとの色温度の気配: おおむね、上段は暖色寄り、中段は中立〜媒介、下段は寒色寄りと読めます(厳密な色温度や科学的主張として書いているわけではありません)。
  • 中段の三つ: Green(色相)→ Transparent(媒質)→ White(無彩色寄り)と並びます。色相と明るさの軸が交わるイメージに、古典的な対立過程(opponent-process)説の語彙で比較することもできますが、あくまで設計を眺めるための類比です。

画像処理でのジグザグ走査では、Z-order は計算上の効率のための走査順にすぎないことがよくあります。
MTP では、この並びを色空間上の道順(カラー・トラジェクトリ)としても読めます。
トークンやプリセットを順に並べたときの
意味的な軌跡
を考える手掛かりのひとつになります。