概要
MTP (Mapping the Prompt) は、長い自然言語による振る舞い指示の代わりに、構造化されたコントロール(スライダー、グリッド座標、プリセット)で LLM の出力を制御するためのフレームワークです。
モデルのトーンや語り口を言葉で直接指示する代わりに、座標ベースのコンパイル手順で制御します。「簡潔に」「深く考えて」といった直接的な指示に頼るのではなく、構造化された空間内の位置を指定します。指定方法は、スライダー値、グリッド座標、名前付きプリセットのいずれでもかまいません。コンパイラはその位置を決定論的に変換し、出力の形を変える制約 XML に落とし込みます。
このページでは、基本用語と、MTP の制御を支える二つのレイヤーの簡易仕様をまとめます。この二つのレイヤーは、実際の挙動に即して言えば グリッド上の位置 と 強度・極性 として整理でき、内部モデルでは Space と Intensity と呼びます。計算式やゾーン境界の完全な定義はグリッドと座標系で、各ノードの振る舞いの要約はノードリファレンスで扱います。
以下の用語は、MTP のドキュメント全体で繰り返し登場します。これらは、入力から制約の適用までをつなぐパイプラインを構成しています。
┌─────────┐ ┌──────────────────┐ ┌───────────────────────────┐ ┌─────────────┐ │ Input │ ──→ │ Compiler │ ──→ │ Constraint extraction │ ──→ │ Output │ └─────────┘ └──────────────────┘ └───────────────────────────┘ └─────────────┘
プリセット ───── 展開 ─────→ グリッド座標 ────────┐ スライダー (node:intensity) ────────────────→ ├→ (軸, 極性, 強度) → ノードファイル → 制約 グリッド座標 (列:行) ────────────────────────→ ┘| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ノード (Node) | 9 つある意味軸のうちの 1 つです(例: Red)。各ノードには Side A の名称(例: Power)と Side B の名称(例: Void)があります。 |
| 軸 (Axis) | ノードの色による識別単位です。Yellow, Red, Magenta, Green, Transparent, White, Cyan, Blue, Purple の 9 種があります。 |
| Side A / Side B | 各軸の両極です。強度が正なら Side A、負なら Side B が有効になります。 |
| 強度 (Intensity) | 0〜100 の強度値です。どの制約ティア(Low / Mid / High)が抽出されるかを決めます。 |
| スライダー (Slider) | node:intensity 形式の入力です。例: power:70, void:80, yellow:-30 |
| グリッド (Grid) | 19×19 グリッド上の 列:行 形式の入力です。例: D:16, A:1。コンパイラは位置から軸、極性、強度を計算します。 |
| ゾーン (Zone) | グリッドを 3×3 に分割したときの 9 つの大きなセルのうちの 1 つです。各ゾーンは 1 つの軸に対応します。 |
| プリセット (Preset) | パース前にグリッド座標へ展開される名前付きブレンドです。例: strategist は P:16 P:4 に展開されます。 |
| 制約 (Constraint) | 解決された強度ティアに応じてノードファイルから抽出される、出力の振る舞いを形作る指示群です。 |
どの入力経路も、最終的には同じ内部表現である (軸, 極性, 強度) に収束します。たとえば power:100、red:100、J:4 のどれを入力しても、コンパイラは同じ 3 要素に解決し、同じ制約を抽出します。
二つのレイヤー
Section titled “二つのレイヤー”MTP は形式上、Space と Intensity という二つのレイヤーで成り立っています。この概要では、これらを グリッド上の位置 と 強度・極性 という、より具体的な見方で導入します。Space は「グリッド上のどこか」、つまり軸とゾーンを扱います。Intensity は「どれくらい強いか」と「どちらの極か」を扱い、グリッド座標からの解決には Volcano マッピングとティア抽出が関わります。3×3 レイアウトの設計背景は設計上の背景で扱います。
レイヤー一覧
Section titled “レイヤー一覧”| レイヤー | 制御するもの | 主な考え方 |
|---|---|---|
| Space | グリッド上の位置: どの軸・どのゾーンか | 19×19 グリッド、3×3 マクロゾーン、色相環 |
| Intensity | 強度・極性: どれくらい強いか、どちらの極か | 0–100 スライダー、Side A / Side B、中心からの距離に応じた強度・極性の対応づけ |
各トークンについて、コンパイラは (軸, 極性, 強度) を解決し、ノードファイルから段階的な制約を抽出します。
Space(グリッド上の位置)
Section titled “Space(グリッド上の位置)”インターフェースでは、19×19 の線の交点を基準にした整数座標系を使います。これは現在のデフォルト実装です。盤面は対称な 3×3 レイアウトで 9 つのマクロゾーン に分かれており、各ゾーンは 1 つの色軸に対応します。この配置の背景は設計上の背景で扱います。
Intensity(強度・極性)
Section titled “Intensity(強度・極性)”各ノードには 0〜100 の連続的な強度があります。極性によって、Side A(正)か Side B(負 / 反転極)かが決まります。マクロゾーンの色名はスライダー名の別名としても使えます(例: Yellow 軸では yellow:50 ≡ open:50)。グリッド上の位置から強度と極性は、チェビシェフ距離に基づく径方向のルールで求められ、その定義はグリッドと座標系にあります。見た目の対応としては、中心が中立、外側の環が Side A のピーク、外周が Side B です。
複数の MTP トークンを並べたときは、コンパイラはトークン順に <constraints> ブロックを出力します(別レイヤーではありません)。並びの設計上の任意の読み方(軌跡の比喩など)は設計上の背景で、各ノードの要約はノードリファレンスで扱います。