ノードリファレンス
従来のプロンプトエンジニアリングでは、トーンや振る舞いを調整する際に「専門家として振る舞って」「ステップ・バイ・ステップで考えて」といった自然言語の修飾表現に頼ることがよくあります。
こうした表現は曖昧になりやすく、タスクそのものとは別に、プロンプトの不要なノイズを持ち込みがちです。
MTP では、その種の制御の多くを、座標と軸ラベルという非言語的なメタデータに置き換え、段階的な制約としてコンパイルします。
このページでは、Side A / Side B の各ノードについて、ノードが表す方向と、現在の MTP Skill による出力傾向を分けて示します。
ノードが表す方向は、プロンプト制御だけでなく、概念の分類や順序づけにも使えます。
MTP Skill による出力傾向は、その方向を LLM の応答へ反映したときの振る舞いです。
ノードクイックリファレンス
Section titled “ノードクイックリファレンス”MTP の各色軸には、Side A と Side B の2つの「ノード(<node>)」があります。
強度(<intensity>)は 0 から 100 の範囲で指定できます。
Side A は正方向のノードで、power:70(<node>:<intensity>)のようにノード名で指定できます。
Side B は逆方向のノードで、void:70 のようにノード名で指定できます。
色名で指定する場合は、正の値が Side A、負の値が Side B に対応します。
たとえば red:70 は Power、red:-70 は Void として働きます。
同じ極性の規則はノード名にも適用され、power:-70 も Red 軸を Void 側として有効化します。
Side A クイックリファレンス
Section titled “Side A クイックリファレンス”| 色 / 軸 | ノード | 指定例 | ノードが表す方向 | MTP Skill による出力傾向 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Yellow | open | open:100 / yellow:100 / D:4 | 開放、可能性、拡張 | 発想を広げ、選択肢を増やし、判断の余地を残す | |
| Red | power | power:100 / red:100 / J:4 | 力、主張、推進力 | 主張を強め、判断を示し、結論へ押し進める | |
| Magenta | return | return:100 / magenta:100 / P:4 | 回帰、反転、反復、再解釈 | 前提を問い直し、別の読みや枠組みへ切り替える | |
| Green | grow | grow:100 / green:100 / D:10 | 成長、展開、広がり | 説明を広げ、情報を重ね、関連する枝を伸ばす | |
| Transparent | helix | helix:100 / transparent:100 | 統合、構造の展開、要素間の結び付き | 手順をつなぎ、構造と理由を追える形で示す | |
| White | focus | focus:100 / white:100 / P:10 | 精度、明瞭さ、定義 | 対象を絞り、曖昧さを除き、根拠を添える | |
| Cyan | enter | enter:100 / cyan:100 / D:16 | 境界、導入、枠組み | 前提、範囲、入口を示し、読み手を内容へ導く | |
| Blue | flow | flow:100 / blue:100 / J:16 | 連続、接続、リズム | 文や段落を滑らかにつなぎ、読み進めやすくする | |
| Purple | close | close:100 / purple:100 / P:16 | 終結、完了、収束 | 要点を収束させ、結論や次の行動で締める |
Side B クイックリファレンス
Section titled “Side B クイックリファレンス”| 色 / 軸 | ノード | 指定例 | ノードが表す方向 | MTP Skill による出力傾向 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Dark Yellow | still | still:100 / yellow:-100 / A:1 | 抑制、保持、静止 | 新しい提案を加えず、変更を抑え、与えられた状態を保つ | |
| Dark Red | void | void:100 / red:-100 / J:1 | 不在、削減、空洞化、沈黙 | 情報と装飾を削り、簡素で最小限の応答へ寄せる | |
| Dark Magenta | surge | surge:100 / magenta:-100 / S:1 | 放出、過剰、あふれ出し | 情報と感情を高密度に重ね、勢いよく放出する | |
| Dark Green | wither | wither:100 / green:-100 / A:10 | 減衰、刈り込み、衰退 | 枝葉を落とし、説明を短くし、要点だけを残す | |
| Translucent (Transparent) | collapse | collapse:100 / transparent:-100 | 圧縮、収束、構造の崩れ | 選択肢と段階を減らし、単純で直接的な回答へ縮める | |
| Dark Grey (White) | haze | haze:100 / white:-100 / S:10 | 曖昧さ、拡散、ぼやけた輪郭 | 区別をぼかし、断定を弱め、雰囲気や含みを残す | |
| Dark Cyan | drift | drift:100 / cyan:-100 / A:19 | 逸脱、漂流、方向の揺らぎ | 連想や寄り道を許し、話題を横へ展開する | |
| Dark Blue | abyss | abyss:100 / blue:-100 / J:19 | 深さ、下降、重み | 表面的な説明を避け、重く密度の高い考察へ進む | |
| Dark Purple | fade | fade:100 / purple:-100 / S:19 | 減衰、消失、残像 | 結論を閉じ切らず、情報量を落としながら余韻を残す |
Side B の色名は、軸の色を正反対の色へ反転させたものではなく、ノードの意味に沿って言い換えた呼び名です。
haze は White が霞んでいく様として「Dark Grey (White)」、collapse は Transparent が崩れた様として「Translucent (Transparent)」と表します。
ここでは、分類体系の中で各軸がどう関係しているかを簡潔に整理します。
- 縦軸(Red ↔ Blue): 断定を強め、骨格をはっきりさせる方向と、受容や連続性を保つ方向が向かい合う軸。
- 横軸(Green ↔ White): 輪郭を保ちながら外へ広がる方向と、対象を絞って厳密に見る方向が向かい合う軸。
- 四隅(Yellow, Magenta, Cyan, Purple): 十字の隣接するノードをつなぐ、移行的なグラデーション領域。
- 中央(Transparent): 対立する方向性のあいだに置かれた、中立的なノード。

軸配置は、3×3 の Side A / Side B マップとしても、19×19 グリッド上の座標位置としても読むことができます。
Side A / Side B の違い
Section titled “Side A / Side B の違い”出力上の傾向として、Side A は「前へ進める力」として現れやすいです。
紹介文であれば、読者を誘う、理由を増やす、骨格をはっきりさせる、焦点を合わせる、結論へ運ぶ、といった方向に働きます。
一方で、Side B は単に弱い Side A ではありません。
同じ軸の反転極として、構築よりも削ぎ落とし、明快化よりも曖昧化、展開よりも沈み込み、完結よりも余韻へ寄せる傾向があります。
Side B は「悪い」または「低い」側ではなく、その軸の影や裏面として機能します。
Side B の解釈
Section titled “Side B の解釈”チェビシェフ距離に基づく径方向のルールでは、外周フレーム上の座標は、そのゾーンでは Side B に反転します。
制約設計では、Side B は同じ軸の反転極(陰陽の対極)として表現されます(例: Power → Void、Focus → Haze、Grow → Wither)。
ただし、Side A と同様に、モデルごとの差や揺れは残ります。
ノードとプリセットの組み合わせ
Section titled “ノードとプリセットの組み合わせ”MTP では、複数のノードを同時に指定して出力傾向をブレンドすることもできます。
単一のノードで出力を切り替えるだけでなく、たとえば断定性(power:20)と精度(focus:30)を組み合わせたり、展開(grow:20)と読みやすさ(flow:50)を組み合わせたりするように、複数の軸を重ねてグラデーションのように調整できます。
MTP のノードを組み合わせれば、操作の負荷を下げながら、モデルの出力傾向を変えられます。
複数の MTP トークンがあるとき、各トークンは同じ Space / Intensity の規則で個別に解決され、コンパイラは 書いた順(パース順) に、トークンごとの制約ブロックを出力します。
この順序は、第三のパラメータ空間や「動き」専用レイヤーとしては扱われません。
並びをグリッド上の意味的な軌跡のように読むことはできますが、設計上の任意の読み方にすぎません。
名前付きスライダー(power:100, flow:70)は意味が追いやすい出発点、グリッド座標指定はメッセージを短く保ちたいときに向いています。
名前付きプリセットは、skills/mtp/references/presets.yaml で定義された固定の座標列に展開され、再現性のある複数ステップのブレンドに応用できます。